幸せな女

昔から、猪突猛進。不注意あり。楽しくポジティブに育った30代の子持ち女の回想記となっております。

根に持つわたし 1




「あー、違う、そういうことじゃないんだよなあ。」




その女性は悪気なく、きっとなんのことはなく、そう私に言った。





突然、一本の指を目の前に出しながら、

「これをじっと見て」とその人は言った。





私は目をできる限りまんまるくして、その指をみつめた。





そうしたら、そうじゃないんだよな、と彼女は言ったのだ。そしてすぐ別の子の所へ行ってしまった。






どうやら寄り目になる、と言うのが正解だったらしい。






私はその何気ない一言がショックで、しばらく愕然とした。





多分5歳くらいだったと思う。





保育園時代の、記憶に残る一場面だ。





私はこの年頃の記憶がわりとよく残っている。




でも思い出すのは、恥ずかしさとか、悔しさといった、どちらかというと、マイナス寄りの感情を伴うものばかりなのだ。


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